「硫黄島上陸 友軍ハ地下二在リ」酒井聡平著を読みました。著者の酒井聡平さんは、北海道新聞記者。土日は、戦争などの歴史を取材、発信する自称「旧聞記者」として活動する。1976年生まれ、北海道出身。2023年2月まで5年間、東京支社編集局報道センターに所属し、戦没者遺骨収集事業を所管する厚生労働省弥東京五輪、皇室報道などを担当した。硫黄島には計4回渡り、このうち3回は政府派遣の硫黄島戦没者遺骨収集団のボランティアとして渡島した。取材成果は(Twitter)などでも発信している。硫黄島発の電報を受けた側にいた父島通信隊の所属兵士の孫でもある。(本書著者プロフィールより)
「国ノ為重キ努ヲ果シ得デ 矢弾尽キ果テ散ルゾ悲シキ」1945年3月16日硫黄島守備隊最高指揮官栗林中将が大本営へ送った訣別電報です。これを持って大本営は硫黄島玉砕を発表します。硫黄島の戦いとは(1945年2月19日ー1945年3月26日)第二次世界大戦末期に小笠原諸島の硫黄島において日本軍とアメリカ軍との間で行われた戦いであり。日本軍20933名のうち95%の19900名が戦死あるいは行方不明となっており、一方アメリカ軍は戦死6886名、戦傷21865名となっています。硫黄島は第二次世界大戦の太平洋戦線屈指の激戦地の一つとして知られている島です。
この本の内容はこんな感じです。「友軍ハ地下二在リ」硫黄島の兵士たちは今も地下にいて、本土からの迎えを待っているのだ。13年前に一念発起し、父島兵士の孫であった著者は、政府派遣の遺骨収集団への参加を模索し続け、ようやく参加が認められた。この本はこうした遺骨収集の現場や、日本兵1万人が未だ行方不明の謎、戦後の硫黄島に関する日米の機密情報を徹底的に調査した事実などを著したノンフィクションです。
酒田さんは「戦争はまだ、終わっていない 忘れてはいけないことは 決して忘れてはいけない」そう語ります。来年で戦後80年、遺骨を含めて、戦争に関する記憶や関心など、いろいろなものが風化していっていることは間違い無いと思います。時間が経過する中でどう答えを出していくのか難しい問題だと感じます。多くの人がこうした本を読み、多くの人が関心を持つことによって、何か方向性や流れみたいなものが生まれる可能性はないだろうか・・・・考えてみたいと思います。