「母さんごめん、もう無理だ ーきょうも傍聴席にいますー」朝日新聞社会部著を読みました。私は今まで裁判の傍聴はしたことがありません。裁判所のホームページを調べると日本全国の全裁判所の新受全事件数は令和4年で、民事・行政、刑事、家事、少年合わせて3375246件あったそうです。裁判を傍聴したい時はどうするかというと、これも裁判所のホームページに載っていたのですが、「法廷が開かれていれば、事前に申し込まなくても傍聴することができます。「傍聴人入口」の扉から中に入り、傍聴席に座って傍聴してください。どのような裁判が行われているかは、法廷の入り口に掲示されている裁判の予定表(開廷表)で確認してください。すべての法廷の開廷表を玄関ホールなどに備え付けている裁判所もあります。なお、家庭裁判所や簡易裁判所などで扱う非公開の事件(調停、審判等)は、傍聴することができません。また、傍聴希望者が多い裁判では傍聴券交付手続が行われる場合もあり、その場合には、指定された場所に集合時間までにお越しいただき、傍聴券を入手する必要があります。傍聴券交付手続が行われる裁判については、傍聴券交付情報をご覧ください。」(裁判所ホームページ見学・傍聴案内 傍聴の手引より)
この本は、裁判所の傍聴席で日々取材をする記者が、強く心に残った事件の裁判の模様を綴ったもので、朝日新聞デジタルの人気連載「きょうも傍聴席にいます」から書籍化されました。全29編の人間ドラマが収録されており、老老介護、家庭内殺人、育児の悩みなど、さまざまな事件が取り上げられ、事件の背景や被告、被害者、家族の深い悩みを掘り下げて描いており、法廷の人々の生の言葉と息づかいが、 深く心を揺さぶる作品です。(COPILOT作内容紹介)
裁判では、証拠とか、目撃者の証言とか、殺意とか、事件に焦点が当たることが多いと思っていたのですが、それよりも被告が送ってきた人生そのものが浮き彫りになるものだと感じました。全29編のケースそれぞれに、それぞれの被告が生きてきた人生があります。その中には・・これが自分だったら・・・明日は我が身かもしれない・・・そう考えさせられるものもありました。
これまで新聞が記事にしてこなかった「小さな事件」の裁判にこそ、私たち記者が目を向けるべきことが多かったのかもしれない。親子のこと、夫婦のこと、病のこと・・・・。ふつうの暮らしのなかで、もしかしたら自分も抱えるかもしれない悩みがある。それがこじれ、犯罪につながってしまう。どうすれば、その手前で踏みとどまることができたのか。
前司法記者クラブキャップ 野村周さんはこう語っています。ぜひ読んでみてください。